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The Christmas Song Book
さて、街を歩けばすっかりクリスマスな雰囲気ですよ。
僕らが言うところのクリスマスってやつは、つまりはクリスマス@アメリカなんだろうね。毎年この時期になると、某大手百貨店がノーマン・ロックウェルが描くサンタクロースを使うけれど、あの世界ですね。

あの広告に使われるクリスマスの光景に関わらず、ロックウェルが描く世界は「善良なるアメリカ(あるいはフィクションとしてのアメリカ)」であって、アメリカ庶民の生活を描かせたら、彼に勝る人はおそらくいないと思う。
そこから偽善の匂いを感じる人もいるみたいだけど、アーリーアメリカン調の家具はまったくもって理解出来ない僕ですら、彼の絵は嫌いじゃ無い。

話がそれてしまったな。
つまり、21世紀の極東の島国に生きる僕たちが感じる「クリスマス」は、多分にアメリカナイズされたクリスマスであって、たかだか60年前までは竹槍を持って「鬼畜米英」と言っていたことが信じられないほどに、僕らにとっての「ヤオヨロズの神事」になってしまった。
古来から、ついに唯一神を受け入れることの無かったこの島のヒトビトらしいといえば、確かにそうなのだけれど。



ウダウダと書いたけれど、ちょっと前の記事に書いたように、僕はこのアメリカナイズされたクリスマスが大好きだったりするんですね。他愛も無いヤツです。
そして、そこに欠かせないのがクリスマスソングなんですよ。強引な展開だけどさ。
伝統的な宗教曲をのぞけば、クリスマスソングはすべからくノベルティソングであって、商業的クリスマスのコマーシャルソングなんだよね。

当然のこと、これらの曲は機能的に作られていて、聴き手に「わー、クリスマスなんだなあ」と思わせないといけないし、彼らの財布の紐を緩めてもらわないといけない。もちろん僕も思いっきり緩める人なのです。
ある意味、ポップミュージックの中で最も「消費されること」を意識したものであり、ポップミュージックの宿命めいたものを一身に背負った音楽ジャンルであるのかもしれないね。



まあ難しいことはおいておくとして。
消費されることを繰り返しながら、今なお生き延びているクラシックポップなクリスマスソングをリストアップなのですよ。

"Christmas Song" Nat King Cole
僕にとっての究極のクリスマスソング。タイトルもそのままだけどね。いろいろな人が歌っているけれど、おそらくこのナット・キング・コールのものが一番有名だろうし、スタンダードだと思うな。
これはオリジナルバージョンではなくて、TVプログラム用に録音されたものなんだろうけど、短いながらも原曲の素晴らしさが十分に伝わるんじゃないかと。
僕が子供の頃から、この時期になると母親が鼻歌でこれをよく歌っていたことを思い出しますね。うーん、家族でクリスマスを過ごさなくなってから、もうずいぶんと経つな。
それにしても、公民権を勝ち取る前のアフリカ系米人が歌う「幸福なアメリカのクリスマス」。屈折してるといえば屈折してる曲なのかもしれないです。



"Let It Snow" Jaci Velasquez
歌詞には少しもクリスマスの言葉は出てこないんだけど、実質的にそういう聴き方をされている曲ですね。
映画「ダイ・ハード」のエンディングに使われているから、耳にしたことのある人も多いんじゃないかなあ。超傑作の一作目でも、たしか「ある物」が降り積もる中でこれが流れていたはず・・。
関係ないけどさ、伏線が張りまくりなダイ・ハードの一作目ってほんと凄いよね。それ以降は駄作だけど。あれは映画館で観たいなあ。いまさら仕方の無いことなんだけど。
さて。さまざまなバージョンがある曲なんだけど、代表的なやつはちょいと音質がよろしくないので、これを。
やっぱりビッグバンドだね。



"Wonderful Christmas Time" Paul McCartney
実はここで紹介する曲の中では最も新しいものなんです。それでも四半世紀前だけどね。
ポール・マッカートニーが、鼻歌混じりで作ったデモ状態のバージョンを、そのままリリースしてしまったんではないか?っていう作りです。演奏もコーラスもすべて彼が一人でやっています。
これもしぶとく生き残っている曲で、いまでも街やラジオで流れてますね。
PVに関してはコメント不能。動いてるポールが見られてウレシイっていうくらいです。この時代(70年代後半)のPVはロック考古学的な価値しか無いからね。

でさ。
後述するビートルズ時代の盟友ジョン・レノンと違って、彼は無思想な人というマスイメージが常に付きまとうのだけれど。
それはこの能天気な曲にも現れているんだけど、どうもそれは、あのジョン・レノンと常に対峙せざるを得なかったからなのではないかなとも思いますね。彼のヒット曲の歌詞に、「馬鹿げたラブソングのどこが悪いんだい?」っていうものがあるんだけど、完全に開き直った上で、こういったお気楽なクリスマスソングを歌っているのかなあと。
いずれにしても、当代一流のメロディメーカーらしい小品だと思うな。大好き。



"Happy Xmas (War Is Over)" John Lennon & Yoko Ono
たとえば世界の人口が60億人だったとして。実際のところ、その大半の人間は「クリスマス」ってやつを知らないはずなんだよね。あくまでもカギカッコ付のクリスマスなんだけど。
キリスト教の宗教行事としてのクリスマスという意味ではなく、世界の限られた一部の人達が享受している「幸福な一夜」としてのクリスマスをね。

当然のこと、クリスマスを知らないこと自体は不幸でもなんでもないけれど、この言葉が象徴する、ささやかな安息の一夜すら得ることのできない人達が、実は多数を占めるのだっていう事実を、やはり僕たちは考えないといけないのかなと。それがある種の傲慢さを含んだ贖罪の気持ちであったとしてもさ。
僕たちは、過去から累々と積み重なった屍の上に立っているのだってことを、やはりちょっとだけ思い出すことが必要なんだと思ってます。自戒を込めて。

ジョン・レノンとヨーコ・オノ夫妻の曲。おそらくロック系ミュージシャンのクリスマスソングでは最も有名な曲だと思います。1972年の曲だったはず。
タイトルの副題で分かるだろうけど、クリスマスソングの姿を借りた反戦メッセージソングの側面も持ってます。だからこそ、こういったPVが後になって作られるのだけれど。スーパーマーケットでもお気軽に流れているんで、そういった背景は忘れられがちだけどね。
ジョン・レノンは、「愛と平和」で語られることが多くてどうにもやりきれないんだけど、この曲が、その虚像を作ってしまったのかなあっていう面もあったりでちょっと複雑かな。

いずれにせよ、ジョンがこの曲でおそらく最も言いたかったのは。
"War is over If you want it"

クリスマスソングは基本的に享楽主義の音楽だし、最初に書いたとおりに、僕はそれをほぼ全面的に肯定しちゃう人間なんだけどね。
でもさ、僕はこの曲を「夢想家の言葉に過ぎない」ってシニカルに嘲笑することはできないんだ。



ゲームブログでこんなことを書くことも無かったんだけどね。
でも、とりあえず。少し早いけれど。
あなたにとって、この夜が何かに想いを馳せることの出来る夜であることを。

メリー・クリスマス。
by fabken | 2006-12-15 22:41 | naked
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