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拳との対話 -Maple Story Chronicle- (2)
エ:今回も拳さんをお招きして、メイプル国の歴史を振り返っていきたいと思います。
前回はメイプル島における、戦士・弓士・盗賊の源流についてお話いただきました。今日は、これらメイプル島住民達がビクトリア大陸に上陸するまでについてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
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拳:こちらこそ。やはりハインズは来ませんでしたか(笑)。

エ:ええ(笑)。今日は本当にお忙しいようです。「魔法防御スキルの効果を減らしてみたんじゃが、どうにも・・」とだけおっしゃってましたから。自ら、薬製造の陣頭指揮をとっておられた。量産体制に入ってましたね。

拳:彼はMP回復薬製造の責任者なんです。エリニアの妖精にしか作れないんですね、あれは。ハインズは、その工場長でもあると(笑)。

エ:ほう。そのあたりのことはいずれハインズさんにお聞きしたいところですね。来ていただければですが(笑)。


エ:さて、本題に入ります。ビクトリア移住直前のメイプル島の状況はどうだったんでしょうか?そのまま暮らし続けるということも出来たと思うのですが。

拳:現在のメイプル島をみていただければお分かりのとおり、なにせ狭い土地ですから、ほとんど全てを開発しつくしてしまったわけですね。あなたが育った頃の島は、深い森などほとんど無かったでしょう?

エ:ええ、確かに畑が多い島でしたね。あるいは草原ですね。私が森を見たのは、エリニアを訪れたときが最初です。あれには驚きましたね。子供の頃は、「森に遊びに行こうよ」といえば、リンゴの木のことを言っておりましたからね(笑)。

拳:私が子供の頃からそうだったのですが、その当時、メイプル島の生産活動は活発になる一方でしたし、それに伴って増加した人口は飽和状態に達しておりましたね。
あの頃、ヘレナの父親がよく嘆いていたものですよ。「デンデンを狩るのに10人がかりなんだ」と(笑)。つまり、デンデン一匹で10人を養わなければならなかったということですね。ちなみにヘレナの父親というのが、いまヘネシスにおるスタンですな。お転婆な娘が心配で、一緒にヘネシスに住んでおります。典型的な親馬鹿ですな(笑)。
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エ:いつも怖い顔をして、ヘネシスに立っておられる(笑)。あれは娘に悪い虫がつかないようにしているんですね(笑)。

拳:そうかもしれません(苦笑)。
さて一方で、私たち農民も、開拓すべき土地はもうほとんど残っておりませんでした。もはや増え続ける子供たちを養うことが難しくなっておりました。
その時に出来る選択は2つしか無かったわけです。一つは穏やかな成長をとるか、もう一つは新しい大地を目指すか。この新しい大地とは、ビクトリアを指すわけです。この選択は意見の分かれるところでしたね。

エ:なるほど。アムホストには大勢の住民がいたわけですから、これは深刻な事態ですね。むろん、我々が知るとおりビクトリアへの大量移住を始めるわけですが、これを決定したのは最終的には誰なんでしょうか。

拳:これは、当時からアムホストの長であった、ルーカスですな。
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彼はスタンの双子の兄、つまりへレナの伯父にあたります。弓士一族の長老格でもありましたが、彼には部族を超えた信頼がありましたね。独自路線を歩む傾向にあるダークロードの一族も、彼のことを深く信頼していた節がありますな。
そこで彼が出した結論というのが、ビクトリアへの移住ですね。



エ:いきなり移住というのは、かなり難しいことだと思うんですね。それまでにビクトリアとの往来というのは存在していたのでしょうか。つまり、ビクトリア原住であったエリニア住民との交流ということですが。

拳:メイプル島に唯一の港がありますね。今はサウスペリと呼ばれております。あそこはエリニアの住民と、どうにか交易が出来ないかと考えて作られたものです。ルーカスや我々の親達も、当初はエリニアとの貿易に、メイプル島存続の活路を見出そうとしていたわけですな。
ただ、ここには根本的な壁があった。妖精たちはデンデンの肉も、リンゴも好まんのです(笑)。彼らとて、決して霞を食べているわけは無いのですが、メイプル島の特産物は、口に合わなかったようですな。これでは貿易など成り立たないわけです(笑)。
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エ:なんだか、メイプル島のご先祖さまたちは、デンデンとリンゴしか食べてない印象が出来てしまいました(笑)。

拳:いやいや、今の若者達のように贅沢に出来ておらんのですよ(笑)。いずれにせよ、移住を考える相当以前より、サウスペリからエリニアへの航路は見つかっておりましたし、ダークロード、ヘレナ、私もビクトリアの土地は踏んでいましたね。
ただ、当時のビクトリアに港はありません。今のリス港口周辺、あのあたりは水深が深い海岸だったものですから、そこに船をつけて、エリニアまで長い時間をかけて歩いたものですよ。

エ:その当時のビクトリアの環境というものはどうだったのでしょうか。

拳:本当に素晴しいところでしたなあ。今よりも遥かに、緑に覆われた大地でしたね。これは今でも名残りがありますが、ヘネシスからカニングにかけて、もちろんその当時は町などありませんが、見渡す限りの大草原地帯でした。一帯はメイプル島とも気候や土地柄が非常に似ておりましてね。赤いリボンを着けた豚もおりましたよ(笑)。
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これには、スタンもヘレナも興奮しておったですね。「これでまた、狩りができる!」と(笑)。
ちなみに、リス周辺にはデンデンが多く生息しておりますが、あれはビクトリアのものではありませんね。移住の際に、船に乗っかってきてしまったデンデンの子孫になります(笑)。
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エ:カニングからペリオンにかけてはどうだってのしょうか。特に今のペリオン周辺は、岩山に囲まれた、大変に険しい峡谷となっておりますが。

拳:これは比較的に知られておることですが、エリニアから拡がる森林地帯は、当時、ペリオンあたりまで延びておりました。
いかにエリニアの森が深かったか、お分かりいただけると思います。なぜ、今のようになったのか、これは次回にお話することになると思いますが・・。
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エ:少々、苦い顔をしておられますね。では、その話は次回にするとしまして、さて、移住にあたって、これは当然のことエリニアとの関係が緊張すると思うのですね。こちらは移住と呼ぶわけですが、ハインズさんや妖精たちにとっては、一方的な侵入者となるわけですから。
移住に至るまでの、エリニア住民との調整といいますか、了解といいますか、その過程はどうだったのでしょう。

拳:これが一番の懸案でしたね。彼らは数千年の間、他部族との交流を図ることなく、独自の文化を築いてきた部族です。そして彼らがその頂点に戴くハインズが、これがまた少々気難しい(笑)。「移住します」「はい、そうですか」ということにならないのは当然なんですね。
そこで、我々がビクトリアに移ることで、エリニア住民にも良いことがあるということを説明する必要がでてきた。もちろん、それは移住の為の方便であってはならないわけですね。

エ:ふーむ、それは難しいですね。なにはともあれ、島民の生活ためにビクトリアに移住するわけですからね。メイプル島の都合でしかない。

拳:そうなんですね。ハインズも、最初はまったく話に乗ってくれませんでしたな。
ただ、ある時、これは3回目のビクトリア訪問時だったと記憶しておりますが、ダークロード達とエリニアの近くを歩いておったときに、一人の妖精がスルラに囲まれておりました。
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彼女の命の危険を感じた私達は、なんとかこのスルラを追っ払ったのですが、ここに、エリニアとの共存が可能なのでは無いかと感じたわけです。

エ:ほう、妖精を助けたことが移住交渉が成功するきっかけであったと。

拳:この当時のエリニア住民、つまり妖精たちというのは、「狩り」という行為を、基本的にはいたしません。その頃のエリニア文化には「戦い」という概念が無いのですね。これは極めて尊敬すべき文化です。けれども、私達はそこにエリニアとの共存の可能性を見出したわけです。
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エ:ほう。妖精は戦うということをしないわけですね。けれども、今の魔法使いは果敢に戦いますね。

拳:今の魔法使い、これはメイプル島民の末裔なのですよ。

エ:あ、妖精とは異なるわけですか。

拳:そうですね。これが我々メイプル島民の移住を可能にしたわけです。エリニアの妖精たちは、獣を狩ることによって糧を得ているわけでは無かったのですね。葉に付いた朝露や果実を主食としているものですから、狩りをする必要が無いのですな。採集生活が基本だったのですね。それで十分に暮らしが成り立っておったのです。

ただ、いかんせん、エリニア周辺にはスルラやお化けキノコが多すぎるのです。これは危険なのでは無いかと。当時は妖精たちの命が無駄に失われておりましてね。
そこで我々はハインズに提案したわけですな。「メイプル島民の一部を、魔法使い見習いとして、ここに住まわせて欲しい」と。妖精たちの魔法を移住者に学ばせることによって、エリニア住民が多少なりとも安全に過ごせるようになりますよと。そう、ハインズに言ったわけです。

エ:なるほど、ある意味、移住にあたっての交換条件ともいえますね。

拳:そうですね。相当にムシの良い提案かもしれないのですが、このときのハインズは、不思議とその提案を了承してくれたのですね。そして、なおも、こう言ったのです。「他の移住者に魔法を与える必要は無いのか」と。
そこで、同行していたルーカスが、「それではここにいる3名(ダークロード、ヘレナ、拳)に、今、彼らが持っている力を、さらに高めてもらえないだろうか」と、ハインズに頼んだわけです。

エ:ははあ・・。それが今の拳さんたちの力に繋がるわけですか?

拳:あれは不思議な体験でしたね。いま、あなたを始め、戦士や弓士、盗賊になるためには、我々の力を必要とするわけですが、その力の源は、この時にハインズから与えられたものなのですよ。だから、彼が時に尊大になるのも、ある程度はやむを得ない(笑)。もちろん、我々も厳しい修練を積みましたがね。

エ:そして、いよいよビクトリアへの移住が始まるわけですね。次回はビクトリア移住後の暮らしについて、うかがっていきたいと思います。拳さん、本日もありがとうございました。

拳:いえいえ。またよろしくお願いします。そうそう、明日から、皆さんのもう一つの世界では、長い休暇期間に入ると聞いております。我々は忙しくなりそうですな(笑)。
by fabken | 2006-04-28 23:51 | Chronicle
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