この世界はあなたが考えているよりも、ずっとずっと広いんだよ。
きっとね。
皮製の帽子をかぶりながら、あの灯台を見ていたことを覚えてる?
必死に歩いて、ようやくにペリオンにたどり着いたとき。
霞の向こうにぼんやりと臨む、立ち並ぶ険しい岩山に胸が震えたよ。
奥深い緑の木々からわずかにのぞく、エリニアの空はきっと青いに違いないんだって思わなかった?
初めて空を飛ぶ船に乗って、足を滑らせながら登った雪山。遠くに連なる山々を、あれから何度見たんだろう。
いくつもの絶壁を超えた先に見えるぼんやりと浮かぶ禍々しい塔に、いったい何が潜んでいるんだろうって考えたよね。
複雑に入り組んだ道を歩きながら、この塔の終わりはどこにあるんだろうって思ったりもするんだ。
この世界は広いんだ。知らない世界がきっと僕たちを待っている。
小さなエピソードを紡いで、いつの日にかそれを物語に変えていこう。
僕たちに与えられた、想像という名の無限の力とともに。