17歳。
高校をドロップアウトした僕は、追われる小動物が深い森にたどりつくようにして、この街の奥に息を潜める場所をみつけた。
この街は、そこに生きる人々に干渉をしない。拒絶もしないが救いの手も伸ばさない。
けれども深夜2時の寄る辺なき者にとってそこは、安寧の場所でもあった。
この、喧騒と電飾とアスファルトに囲まれ、アルコールと女達の化粧の香りとそれに群がる男達の汗で塗れるこの街が、10代の少年にとっての、その場所だった。
新宿。

結局のところ2年後の僕は大学に入り、今では真っ当な大人の顔をして、同じ街を歩いている。
17歳の「僕」が見ていたものはすでにそこには無い。
この深い森は常に変わり続ける場所ではあるけれど、もちろんそんな意味じゃなくて、だ。
変わったのは「僕」の方だった。
"Rock Me Baby" BB KIng・Eric Clapton・Buddy Guy・Jim Vaughn
Teenagerの僕と。
Overthirtyの私と。
それでも変わらないものがここに。